『 へ う げ も の 』 協 力 出 展 室 [ 増上寺会館3階 「中広間」 ]

【 「へうげもの」 徳川の菩提寺にて、「乙」極まりて候。 】

やきもの&茶の湯歴史漫画『へうげもの』から飛び出す現代作家達

週刊モーニング(講談社)にて大好評連載中の歴史大河漫画『へうげもの』(山田芳裕)が、前回に続き「天祭 一〇八」に強力に協力。 武将茶人・古田織部が主人公のストーリーにて、徳川歴代将軍を祀ってきた長い歴史と因縁を持つ増上寺で「現代の織部」達が「中広間」会場に集結!

スピンオフ企画「激陶者集団 へうげ十作」主力作家が参加するほか、同作品の熱読者であるアーチストたちもコラボ作品を出展。「『へうげもの』ともゆかりの深い増上寺で、新たな協力 アーチストをぜひスカウトしたい。」(担当者)本展を通じ、美術〜工芸とのつながりをさらに深める構えだ。

山田芳裕『へうげもの』は実在の武将茶人・古田織部を主人公に、やきものと茶の湯を通じ、日本人の価値観を探究する歴史大河ギャグ漫画です。作者の好奇心をランダムにギッシリ詰め込んだ、ミクスチャー漫画という言い方も可能かと思います。青年誌の作品ですから、常に現実と向き合っています。語弊を怖れずに言えば、漫画は通過儀礼という思いがある。漫画〜アニメ〜ゲームというリンクにはどうもなじめないし、大人の漫画ならではのスピンオフを模索したいと常に考えています。

織部が組織したとされる織部六作、織部十作にあやかり、「激陶者集団へうげ十作」を企画。東京をはじめ、京都、福岡、大阪などでコラボ展を重ねてきました。織部の足跡を追体験したい、漫画の世界を三次元化したい、ジャンルを越えてさまざまな表現者とつながりたい。芸術、美術、アート、工芸、クラフト。サブカルの立場からすれば、既存の枠組みはいささか守旧的、高踏的とも感じられる。さりとて、漫画=文化という昨今の提唱もどこか面映い。「ものづくり」というザックリした囲いの中で、すべてのクリエイターを結ぶ触媒になりたい。独自でダイナミックな作品を創る「作家」を発見したい。かような想いで「天祭一〇八」に参画しました。
山田曰く、古田織部は茶席でギャグを狙っていたと。はなはだ僭越ながら、自画像が「二枚目」と思しき美術や工芸の世界に、日本人ならではの「笑い」を闘魂注入することができたなら無上の喜びにて候。

※イラスト上「へうげもの」題字 書家・川尾朋子