【 菊 の 間 】 Kiku-no-ma



「煎茶」の歴史は意外と浅く、日本の食文化に根付いたのは近代以降のこと。その奥行きと広がりは中国茶にも劣らず、昨今の煎茶ブームも見逃せない。 この度の天祭では、皇室への献上茶も手がける静岡県の生産農家集団「TEA SONGS」の協力を得て、知っているようで知らない煎茶の魅力を紹介する。
会場内では静岡県に分布する各産地の農家から取り寄せた茶葉を、陶芸作家・新見麻紗子の器を用いて試飲・販売。
一杯・二杯と飲むにつれて風味や口当たりの変化も楽しむ事ができる。 これからの煎茶の広がりとともに、日本の美術工芸・ものづくりにも新たな影響を与える事を期待してやまない。

[茶葉試飲販売 / 作家の茶器の展示販売]


feat. 新見麻紗子

新見 麻紗子  NIIMI Masako


【略歴】
1985 千葉県生まれ
2009 京都精華大学芸術学部造形学科陶芸分野卒業
2009 若手陶芸家集団IKEYAN☆オーディションにて新人メンバー選出
2010 京都市産業技術研究所工業技術センター 陶磁器コース本科修了後独立

化学変化により複雑な発色・反応する窯変釉薬を調合し制作。
淡く儚げな作品群。



静岡茶次世代創造集団 TEA SONGS −大地礼讃−

代表者・コーディネーター:石橋章子



日本一の生産量を誇る茶処静岡。その中でも「静岡茶」を牽引し、次世代を切り拓く生産家9名によるグループです。

<グループ名由来>
静岡県各地から選び抜かれた茶と茶師が奏でるハーモニー。
春に萌え立つ新緑の葉波は、力強く豊かな大地を唄う。
茶と茶師によって奏でられるハーモニー【味・香・色・形】は、人々に幸せと喜びを贈るSONGS-大地礼讃−。

「茶」は、自然環境をそのまま葉に表現する植物です。作られた場所によって、その【味・香・色・形】は大きく異なります。特に土地の持つ力の影響は大きく、静岡県内だけでもたくさんの茶産地があり、それぞれの味わいや形に違いがあるのはそのためです。

摘採期である4月5月を迎えると、茶園はいっせいに萌黄色に色づき、さわやかな春風に葉が揺れる姿は、まるで蓄えた大地のエネルギーを解き放ち、春の訪れに歓喜し唄う姿にも見えます。

茶師は茶葉の唄に耳を傾けるように製法を導き、その大いなる力を傷つけぬようそっと閉じ込め、ひとつの作品へと仕上げていきます。

湯を注いだ瞬間、その力は一瞬にして解き放たれ、人々を大自然の中に誘うのです。
「茶」はまさに大自然の贈り物。飲む人に幸福と喜びをもたらしてくれます。

【出展者】(産地順)
・鈴木英之(磐田市・マルヒ製茶)
・土井宏通(牧之原市・美緑園)
・村田雄哉(菊川市・菊翠茶農協)
・松本浩毅(島田市金谷・カネロク松本園)
・田村善之(島田市川根町・たむらのうえん)
・山崎貴正(静岡市清水区・お茶のやまよ)
・片平次郎(静岡市清水区・豊好園)
・鈴木崇史(沼津市・五十鈴園)
・山田典彦(富士市・山田製茶)